個人情報の保護・開示に関する施設内規則
1 基本理念
1-1 施設内規則の目的
介護老人保健施設綾部さくらホーム(以下、当施設という)の全職員は、この「施設内規則」および「個人情報の保護に関する法則」、「同施行令」、厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取り扱いためのガイドライン」にもとづき、利用者様とその関係者(以下、「利用者等」という)に関する個人情報を適切に取り扱い、利用者等から信頼される事業所であるよう、たゆまぬ努力を続けていくものとする。
1-2 関連事業所の院内規則等との関係
当社における利用者の個人情報の取り扱いに際しては、この施設内規則のほか、関連事業所の「医療法人社団恵心会における診療諸記録の開示に関する指針(ガイドライン)」も適用されるものとする。 診療情報の提供について疑義がある場合には、前段に挙げた指針のほか、日本医師会「診療情報の提供に関する指針」ならびに厚生労働省「診療情報の提供に関する指針」も参照するものとする。
1-3 守秘義務
すべての職員は、その職種の如何を問わず、当施設の従業者として、職務上知り得た利用者の個人情報を、正当な事由なく第三者にもらしてはならない。当施設を退職した後においても同様とする。 すべての職員は、この義務を遵守することを書面によって誓約しなくてはならない(書式10参照)
2 用語の定義
2-1 用語の定義
この「施設内規則」で使う用語の定義は、以下のとおりとする。 (1)個人情報 生存する利用者等の個人を特定することができる情報のすべて。 氏名、生年月日、住所等の本人の基本的な情報から、家族の情報、及びサービスの内容・病歴・相談を受けた内容・他の事業所からの情報等情報となるべきすべてのものを含む。 (2)支援計画・サービス計画・サービス記録等 支援計画やサービスの計画・提供等の過程で収集及び記録された書面。 当施設で取り扱う代表的な記録としては以下のとおり。 アセスメントシート,居宅サービス計画書,サービス提供関係書類,サービス利用計画書,各種議事録,相談記録,苦情の内容の記録,提供表,カルテ類など。
3 個人情報の取得
3-1 利用目的の通知
職員は、利用者から個人情報を取得する際には、その情報の利用目的、当該情報を第三者に提供する場合について、あらかじめ、利用者に通知しなくてはならない。但し、利用者との支援或いはサービス開始の際に取り交わす契約書に情報提供の旨の同意を得ている場合はこの限りではない。
3-2 利用目的の変更
前項の手順にしたがっていったん特定した利用目的を後に変更する場合には、改めて利用者に利用目的の変更内容を通知し、または施設内掲示等により公表しなくてならない。ただし、利用目的を変更する場合には、変更前の利用目的と相当の関連性を有すると認められる範囲を超えることのないように留意しなくてはならない。
4 カルテ類の取り扱いと保管
4-1 カルテ類等の保管の際の注意
カルテ類等の保管については、毎日の業務終了時に所定の保管場所に収納し、滅失、毀損、盗難等の防止に十分留意するものとする。
4-2 カルテ類等の利用時の注意
利用者にサービスを提供している際に、カルテ類等を業務で利用する際には、滅失、毀損、盗難等の防止に十分留意するとともに、記録の内容が他の利用者など部外者等の目に触れないよう配慮しなくてはならない。4-3 カルテ類等の訂正
いったん作成したカルテ類等を、後日書き改める場合には、もとの記載が判別できるように二重線で抹消し、訂正箇所に日付および訂正者印を押印するものとする。この方法によらずにカルテ類等を書き改めた場合には、改竄したものとみなされることがあるので、十分留意するものとする。
4-4 カルテ類等の施設外持ち出し禁止
カルテ類等は原則として施設外へ持ち出してはならない。ただし訪問業務に係る持ち出しを除き、職務遂行上やむを得ず持ち出す場合には、所属長の確認を得なくてはならない。
4-5 カルテ類等の廃棄
法定保存年限または、当施設所定の保存年限を経過したカルテ類等を廃業処分する場合には、裁断または溶解処理を確実に実施するものとする。 また、当施設で保管中にカルテ類等につき、安全かつ継続的な保管が困難な特別の事由が生じた場合には、管理者はその記録類の取り扱いについて、すみやかに当施設を所管する行政と協議するものとする。
4-6 目的外利用の禁止
職員は、法律の定める利用目的の制限の例外に該当する場合を除き、あらかじめ利用者本人の同意を得ないで【3-1】で特定した利用目的の達成に必要な範囲を超えて、利用者の個人情報を取り扱ってはならない。
4-7 匿名化による利用
利用者のカルテ類に含まれる情報を、サービス提供および介護報酬請求事務以外の場面で利用する場合には、その利用目的を達しうる範囲内で、可能な限り匿名化しなくければならない。
5 個人情報の第三者への提供
5-1 利用者本人の同意にもとづく第三者提供
利用者の個人情報を第三者に提供する際には、【3-1】にもとづいてあらかじめ通知している場合を除き、原則として本人の同意を得なければならない。 法令にもとづく第三者提供であっても、第三者提供をするか否かを当施設が任意に判断しうる場合には、提供に際して原則として本人の同意を得るものとする。
5-2 利用者本人の同意を必要としない第三者提供
【5-1】の規定にかかわらず以下の場合には、個人情報の保護に関する法律第23条の規定により、本人の同意を得ることなく第三者へ提供することができる。 (1)法令上の届け出義務、報告義務等にもとづく場合。主な事例として「別表2」を参照。ただし、これらの場合にも、できるかぎり第三者提供の事実を利用者等に告知しておくことが望ましい。 (2)意識不明または判断能力に疑いがある利用者につき、サービス提供上の必要性から情報等を家族、関係機関等に連絡、照会等をする場合 (3)その他、法令にもとづいて国、地方公共団体等の機関に協力するために個人情報の提供が必要であり、かつ本人の同意を取得することにより、当該目的の達成に支障を及ぼす恐れがある場合。
6 個人情報の本人への開示と訂正
6-1 個人情報保護の理念にもとづく開示請求
利用者は、当施設が保有する自己の個人情報について、書式1の書面にもとづいて開示を請求することができる。 管理者は、利用者から自己の個人情報の開示を求められた場合には、別に定められた検討委員会において協議のうえ、開示請求に応じるか否かを決定し、開示請求を受けた時から原則として10日以内に、書式2または書式3の書面により、開示を拒む場合にはその理由も付して、請求者に回答するものとする。
6-2 カルテ類等の開示を拒みうる場合
【6-1】の規定にもとづく協議において、利用者からの個人情報の開示の求めが、以下のいずれかの事由に該当すると判断された場合には、管理者は開示を拒むことができるものとする。 (1)本人又は第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するおそれがある場合 (2)当施設の業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある場合 (3)開示をすることが法令に違反する場合
6-3 カルテ類等の開示を求めうる者
当施設の規定にもとづいて利用者のカルテ類等の開示を請求しうる者は、以下のとおりとする。 (1)利用者本人 (2)利用者の法定代理人 (3)利用者のカルテ類等の開示請求をすることについて利用者本人から委任を受けた代理人
6-4 代理人からの請求に対する開示
代理人など、利用者本人以外の者からの開示請求に応ずる場合には、開示する記録の内容、範囲、請求者と利用者本人との関係等につき、利用者本人に対して確認のための説明をおこなうものとする。
6-5 内容の訂正・追加・削除請求
利用者が、当施設の保有する、利用者本人に関する情報に事実でない内容を発見した場合には、書式4の書面により訂正・追加・削除(以下、「訂正等」という)すべき旨を申し出ることができる。 管理者は、訂正等の請求を受けた際には、別に定められた検討委員会にて協議のうえ、訂正等の請求に応じるか否かを決定し、訂正等の請求を受けた時から原則として3週間以内に、書式5または書式6の書面により請求者に対して回答するものとする。
6-6 内容の訂正等を拒みうる場合
【6-5】の規定にもとづく利用者からの個人情報の訂正等の求めが、以下のいずれかの事由に該当すると判断された場合には、管理者は訂正等を拒むことができるものとする。 (1)当該情報の利用目的からみて訂正等が必要でない場合 (2)当該情報に誤りがあるとの指摘が正しくない場合 (3)訂正等の対象が事実でなく評価に関する情報である場合 (4)対象となる情報について当社には訂正等の権限がない場合
6-7 訂正等の方法
【6-5】および【6-6】の規定にもとづいてカルテ類等の訂正等をおこなう場合には、訂正前の記載が判読できるよう当該箇所を二重線で抹消し、新しい記載の挿入を明示し、併せて訂正等の日時、事由等を付記しておくものとする。訂正等の請求に応じなかった場合においても、請求があった事実を当該部分に注記しておくものとする。
6-8 利用停止等の請求
利用者が、当施設が保有する当該利用者の個人情報の利用停止、第三者提供の停止、または消去(以下、「利用停止等」という)を希望する場合は、書式7の書面によりその旨を申し出ることができる。 管理者は、利用停止等の請求を受けた際には、別に定められた検討委員会にて協議のうえ、利用停止等の請求に応じるか否かを決定し、請求を受けた時から原則として1週間以内に、書式8または書式9の書面により請求者に対して回答するものとする。
6-9 「情報の提供に関する指針」にもとづく開示
利用者からのカルテ類等の開示請求が、サービス事業所と利用者との信頼関係の構築やサービス提供に対する正しい理解の助けとすることを目的としたものである場合には、当施設の関連事業所である医療法人社団恵心会の「医療法人社団恵心会京都武田病院における診療諸記録の開示に関する指針(ガイドライン)」および日本医師会「診療情報の提供に関する指針」にもとづいて対応するものとする。
7 苦情・相談等への対応
7-1 苦情・相談等への対応
個人情報の取り扱い等に関する利用者等からの苦情・相談等は、受付あるいは「苦情相談窓口」で対応するものとする。 その他、苦情に関する対応については当社が別に定めた「苦情処理マニュアル」により対応するものとする。
8 雑則
8-1 施設内規則の見直し
この「施設内規則」は、制定後少なくとも2年毎に一回見直すものとする。
別表1 当施設における利用者の個人情報の通常の利用目的
介護サービスの利用者への介護の提供に必要な利用目的
1)事業所の内部での利用に係る事例 ・当該事業者が介護サービスの利用者等に提供する介護サービス ・介護保険事務 ・介護サービスの利用者に係る事業所等の管理運営業務のうち、 -入退所の管理 -会計・経理 -事故等の報告 -当該利用者の介護サービスの向上 2)他の事業所等への情報提供を伴う事例 ・当該事業所等が利用者等に提供する介護サービスのうち、 -当該利用者に居宅サービスを提供する他の居宅サービス事業者や居宅介護支援事 業所との連携(サービス担当者会議等)、照会への回答 -その他の業務委託 -家族等への心身の状況説明 ・介護保険事務のうち、 -保険事務の委託 -審査支払機関へのレセプトの提出 -審査支払機関又は保険者からの照会への回答 ・損害賠償保険等に係る保険会社等への相談又は届出
上記以外の利用目的
1)事業所の内部での利用に係る事例 ・事業所等の管理運営業務のうち、 -介護サービスや業務の維持・改善のための基礎資料 (厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取り扱いのためのガイドライン」(別表2)をもとに整理)
別表2 法令上の届け出義務、報告義務等にもとづく第三者提供
法令上、義務として明記されているもの
・サービス提供困難時の事業者間の連絡、紹介等。 (指定基準) ・居宅介護支援事業者との連携。 (指定基準) ・利用者が偽りその他の不正な行為によって保険給付を受けている場合等の市区町村へ の通知。 (指定基準) ・利用者に病状の急変が生じた場合等の主治の医師への連絡等。 (指定基準)
行政機関等の報告徴収,立ち入り検査等に応じることが間接的に義務づけられているもの
・市区町村による文書等提出等の要求への対応。 (介護保険法第23条) ・厚生労働大臣又は都道府県知事による報告命令、帳簿書類等の提示命令等への対応。 (介護保険法第24条) ・都道府県知事による立ち入り検査への対応。 (介護保険法第76条、第83条、第90条、第100条、第112条、老人福祉法第18条) ・市区町村が行う利用者からの苦情に関する調査への協力等。 (指定基準) ・事故発生時の市区町村への連絡。 (指定基準) (厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取り扱いのためのガイドライン」(別表3)より抜粋)